【なかなか普及しない湿潤療法】

2017-01-19

普及しているようで、なかなか湿潤治療を行うHPの医師リストが増えないことに関して私見を書いてみました。
ある先生のご意見。
“たぶん、HPの医師リストに名乗りは上げていなくても、密かに湿潤治療を~~~医師はきっと多いのだろうと思います。恐る恐るでも手を挙げる医師が増えてくれればいいのにな”

はい、自分自身も10年以上まえから湿潤療法を始めていましたが、リストに載せていただくようにお願いするには、悩む時間も長く恐る恐る結構時間がかかりました。
当初はプラスモイストヘモスタ、ズイコーパッドの様な優れた被覆材はなく高価なハイドロサイトを切り分けて用いたり、ラップを使ったドレッシングでは浸出液が溢れだし患者さんからは感染しているじゃないか!と怒られたり試行錯誤の日々でした。
でも一番の問題は指尖損傷低温熱傷などのさまざまの治療過程において、一般の診療所では症例も少なく自信を持って創傷治癒の“見立て”が立てられないことにありました。
しかし、症例の写真をメールに添付して夏井先生にご相談すると、即返事を頂き、少しずつながら治療に自信が持てるようになりました。
ある困難な症例に対して夏井先生に言われたことは“もしこの怪我を治すことが出来たら患者には幸福を、嘉本には今までにない自信が持てるようになるぞ!“とアドバイスしていただきました。そして時間(一年は)はかかりましたが、なんとか患者さんが満足していただけるまでには到達できることが出来ました。
今では、自信を持ってこの程度の創傷はいついつまでに、良くなる。あるいは、この傷は絶対治らないが(骨膜の部分が閉じない例など)悪くはならないといったような、見立てをもって説明が出来るようになりました。
しかし普段外来をやっているだけでは、圧倒的に症例は増えずなかなか自信を持つことは出来ません。そこでお勧めするのは、やはり夏井先生の外来見学、そして日々更新される多くの症例写真を頭にたたきこむことであろうと思います。
東西に異常に広い静岡県ですら、HPの医師リストは依然十数軒です。今日も傷口に“キズド○イ”を振りつけ蜂窩織炎を起こした患者さんが来院されましたよ。

Copyright (C) Kamoto Orthopedic Surgery Clinic All Rights Reserved